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瑤泉院と大石内蔵助のコミュニケーション


生野です。
余談 浅野内匠頭長矩の妻
昨年10月21日のことです。
知人のお見舞いに虎ノ門の病院を訪ね、その帰り道に、ホテルオークラ方面へ坂を登りました。土曜日の午後でしたので人通りも少なく散歩にふさわしい日でした。

司馬遼太郎の「街道をゆく、白河・会津のみち、赤坂散歩」を読んだことがきっかけで、坂を下って氷川神社に行きました。
何度か道を間違えながら、ようやく氷川神社境内にはいると、大きな木々が生い茂っており中は昼過ぎであるのに薄暗い。
神社の宮司の家族と思われる白髪の丸髷を結ったおばあさんが箒で枯葉を集めていました。
本殿前では結婚式の客たちが新郎新婦と一緒にに記念写真を撮っていましたので、本殿内に入ることはあきらめて、周辺を眺めて帰ろうと思いました。 (生野)

前記「街道を行く」によれば、この神社は埼玉県大宮市にある氷川大社から出ているそうです。
紀州徳川吉宗が将軍になったときに、赤坂紀州藩邸育ちの吉宗が、赤坂の地に氏神がないということで、赤坂一ツ木にあった小さな祠である氷川明神をここに移して氷川神社としたといわれています。

この境内の左手に、浅野内匠頭(たくみのかみ)の夫人阿久利(あくり、後の瑶泉院(ようぜいいん))の住居跡を示す立て札がありました。質素な祠のようなものが跡地の印としてありました。

赤穂浅野内匠頭長矩(ながのり)は切腹した時35歳で、妻阿久利は28歳でした。
阿久利は広島浅野藩を本家とする支藩三次(みよし)浅野藩の娘として、赤穂浅野藩へ嫁いだ人でした。
赤穂浅野家取り潰しの後は、瑶泉院と名を改め、実家の三次浅野藩江戸屋敷であった赤坂のこの地に住まいつつ、亡夫の菩提を弔い、43歳で没したそうです。
その数年後、三次浅野藩は跡継ぎを亡くして領地は広島本藩へ吸収されたため、この江戸屋敷も空き地となってしまいます。
それから4~5年後に、紀州の徳川吉宗は将軍の世継ぎが絶えたことから将軍職を受ける光栄に恵まれました。
商人達が切望する声に応えるように、吉宗は自分が育った赤坂の地に、氷川神社を建てようと三次浅野藩江戸屋敷跡地を買い取ったのでした。
司馬遼太郎氏は、幸運の連続で将軍になった吉宗と悲運の中で生涯を閉じた瑶泉院が、この土地ですれ違うという運命を思わずにはいられないと書いています。

大石内蔵助は討ち入りの前の11月29日に瑶泉院の付き人宛に書簡を届けているそうです。
藩取り潰しの際の財産のうち、690万両を預かっていましたが、それらの使途について詳細に記して瑶泉院へ報告をしています。討ち入りの嫌疑が瑶泉院へ及ぶことを恐れ、大石は書面でそれとなく討ち入りする意思を伝えたのだろうと思われます。どこの誰にいくらお金を渡したかを仔細に追いかけて分析すれば、それが討ち入りのための周到な準備作戦の実行を意味することは武家の子女としてはっきりと理解できたものと思います。

当時の身分制度や武士の忠節心などを思うと、瑤泉院と大石内蔵助がが会合して討ち入りのための意見交換をしたとはとても考えられません。しかし、昔の日本人は以心伝心が現代人よりもはるかに得意でした。きっと気持ちは伝わっていたものと思いました。

そんなことを考えながら赤坂の氷川神社をあとにしました。

年があけて2007年1月2日にテレビ東京で長時間時代劇が放映されているのが眼にとまりました。
この原作は「瑤泉院―三百年目の忠臣蔵 (単行本)」湯川 裕光 (著)ですが、ドラマの中では瑤泉院と大石内蔵助が同じ床に伏すという大胆な仮説で描かれていました。現代日本人であったならばこうするであろうという想像を織り込んでいるようです。私の想像とはかなりかけ離れているものですが、面白いドラマでありました。
四十七士の偉業は、浮かれ時代の元禄政治に警鐘をならしたと称えていました。

昨秋、あの境内の瑤泉院住居跡に立っていたときに感じたひっそりとした静けさを思い出しますと、私はやはり瑤泉院は資金提供のみに徹して、大石内蔵助とは密会してはいなかったと考えたい。両者の気持ちが空を蹴って一体になっていたことは、ドラマと同じであったでしょう。通信技術の発達していない時代であっても、人間同士の気持ちをひとつにする能力を当時の日本人は備えていたものと思います。

現代人はITやネットワークが発達して便利にはなっていますが、意思疎通の能力は却って減退しつつあるようです。
昔の日本人の思考や思想を辿れば、通信技術や情報処理技術にもう一段の革新を与えることが可能ではないかと思いました。

Posted by shono : 2007年01月03日

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