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来年は日本の大企業すべてがM&Aリスクを抱える
「インタビュー:ミタルとの提携拡大協議を近く開始=新日鉄社長」を読んで思ったこと
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200609210090.html
2006年09月21日20時44分
2007年5月に日本でも三角買収が解禁されるようだ。
アルセロールを買収して年間1億トンを超える最大メーカになったアルセロール・ミタルの社外取締役ロス氏は2015年までに1.5~2億トンまで増大化したいと答えている。
つまりあと0.5~1億トン買収を継続すると言う意思である。
知人が「秋晴れの中、景気好転の兆しも見られ、日本にとっては良いシーズンとなっているのではないか」とメールで伝えてきました。
確かに大企業の景気回復には同感ですが、ただその「好景気の性質」がいままでの経験とは異なるということを感じております。
9,21の日経BPインタビュー(上記サイト)には新日鉄社長の意見が載っておりますが、未曾有の好成績の真っ最中で、ミタルとの提携交渉や買収へのリスク回避に苦渋していると思われる姿が見えるような気がします。記事の中に、
「企業が極めて健全なとき合併はやらない。世界最高の利益を得ているときに、どこかに吸収合併されるのは従業員感情(を考えた)としてもできない」との発言があります。
最高利益をあげているのにミタルスチールによる買収リスクを感じているということです。
日本の大企業が儲けている原因は、中国の景気上昇で、他力によるものなのです。
来年5月に三角合併が日本で解禁されますので、グローバル戦略をとる外資は外国本社株との交換でM&Aをしかけられるようになります。
米国の倒産鉄鋼会社を再建したいわゆる「はげたかファンド」と揶揄された投資会社のロス氏は、再建後の鉄鋼会社をミタルへ売却して、そのままミタルの社外取締役に就任しています。
つまりミタルにはカルバースのバックアップを受けるロス氏が経営陣に入っているということです。
(カルパース=カリフォルニア州職員退職年金基金(The California Public Employees’ Retirement System))
2000年から急激に中国の鉄鋼需要と生産量が増加してきたので、ミタルは2003年からM&Aで生産量を増加してきました。
昨年世界第2位のアルセロールを買収して、現在は年間1億トンの大台にのりました。
これは日本国全体の生産量に達します。
ミタル氏もロス氏も、2015年までに1.5乃至2億トンまで増強すると公言しています。
参考「究極の盾は「日の丸連合」アルセロール・ミタル誕生で浮き足立つ日本勢
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060707/105879/
2006年7月12日」
品質が厳しい自動車用鋼板を製造できるアジアの鉄鋼会社で年産3千万トン規模の会社は、「新日鉄、JFE、ポスコ」ですので、そのうちの2つを買収すれば目標量が達成する計算にはなります。
来年五月以降の株式交換式買収では、アルセロール・ミタルは6兆円の株価時価総額を使って買収が可能となります。
日本で言えば新日鉄やJFE、ポスコが3兆円前後ですので、この規模の2社の買収は可能性が高くなります。
この仕組みは、石油化学、重工、製紙業などなど、現在好景気に湧く産業界すべてに言える問題として来年以降顕在化してくるでしょう。
つまり、外資の支配下に組み込まれてこれからの新入社員は働かざるを得なくなるということ、
または幸運にも外資買収を逃れた会社に入社したとしても、それは株価上昇が期待できない企業ゆえに買収先に選定されなかった可能性があり、生涯グローバル競争で翻弄される側の社員になるだろうということを意味します。
外資へ組み込まれれば、雇用条件は外国方式が浸透してくるでしょうから、今までの戦後50年のような安定した年金退職金制度や労働条件のままの生涯を遅れる可能性は低いと考えざるをえません。
ざっぱくに申し上げて退職金はいままでの半分になるというくらいの心構えが必要でしょう。
したがって1社に生涯従属する従順な日本人のままですと、将来に夢が持てないので、
短期間で他の外資へ移動していきキャリアを上げていくような「アグレッシブな日本人たち」が増えてくるだろうと思います。
学校教育もそういう求められる人材を生むような方向へ変化していかねばならないと思われます。
果たして、安部政権が考えている人材養成が米国ファンドのM&Aに適した人材と合致するのかどうか、気になるところです。
そうではなくて美しい国日本としての独自の人材育成を考えるならば、経済的にも独立自主で継続可能な環境整備を行う必要があるでしょう。M&Aを自由にやらせることでやがて美しい国になるとはとても思えません。
[その後]
上記の意見に対して知人から以下のようなアドバイスが送られてきましたので、紹介します。
「ミタルについては、ミタルの動きではなく、更にその背後にインド政府と中国、ロシアの国際戦略の意識があることも認識しておくべきであると考えています。」
Posted by shono : 2006年10月08日
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